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『ことばはちからダ!現代文キーワード』(牧野剛、他/河合出版)

『ことばはちからダ!現代文キーワード』(牧野剛、他/河合出版)

 

〜現代文の基礎構築、キーワード、テーマ〜

 

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対象:英語や数学の勉強はともかく「あ、国語の現代文やらなきゃ。」って思っている初学者の方

キーワード:国語、現代文

 皆さん現代文の勉強は何から始めますか?

特に基礎固め。

 

英語なら単語帳。数学なら公式などなど、まぁある程度の形式はありますよね。

さて、国語・現代文。

 

「まずはキーワード・テーマから始めませんか?」

 

という提言です。

 

 

1.「読解力」についての誤解

この参考書はいわゆる「キーワード・テーマ解説」になります。

現代文を読む「読解力」について簡単に分析すると、

  • 分析力…文章構成を読み解く
  • 知識…該当テーマに関する前提知識

の2つが考えられます。大雑把ですが、言っていることは分かるでしょう。

皆さんの多くが「読解力」と言ったときに想定しているのは「分析力」だと思います。

もちろん圧倒的な分析力があればある程度の文章は読めると思いますし、専門的な知識が無いと読めない文章は受験においてほぼ見かけません。

 

しかし、それだけでは本当に苦労します。

 

現代文の出典で取り扱われる文章は一般教養書になります。

ちくまとかそこらへんです。…適当。

これらは専門書とは違い、一般人を対象に書いてあります。しかしこの”一般人”がくせ者。基本的には大学レベルの基礎教養を前提としています。

みんな読まないでしょ?

ですから、普通の高校生がパッと読んで分かるわけが無いんです。

 

例えて言うならば、

モンハンの村クエ上位レウスに下位ボーンセットで閃光玉も持たずに突っ込むようなもの。(年齢がもろに出ますね。分からなかったらすみません。)

上手なら被ダメ0で頑張れるかもしれません。時間をかければ。

しかし受験の現代文で与えられる時間はかなりシビアなものです。

装備だけでもさっさと上位、できればG級持ちませんか?と。

 

2.『ことばはちからダ!』の使い方

まずは本屋さんで「まえがき」だけでも読んで下さい。

意味をしっかりと捉えられますか?

「まえがき」に出てくるキーワードは、

  • 近代
  • 批判
  • 文芸
  • 評論
  • 抽象的

いきなりパンチが効いてませんか?

私の予備校時代、生徒に「近代ってなーに?」と聞いて、スラスラ出てくる子は一人もいませんでした。

そりゃそうだ。だいたい教わってないでしょ。

 

「本書の使用法」

にもある通り、まずは第一章、二章をしっかりと読み込んで下さい。

  • 第一章「読解語」→キーワード
  • 第二章「テーマ」

ノートにまとめてみるとなお良し。

第三章以降はそれらがしっかりと自分の口で説明できる(友人でもご家族でも、試してみてください)ようになったら進んで下さい。

何事にも順序はあります。

 

3.現代文の学習について

キーワードやテーマについて気になったものがあったら、スマホでもパソコンでもいいのでWikiなり何なりで調べてみて下さい。(こういうのがある意味学生のスマホの正しい使い方かもしれませんね。)

 

知識というものは樹形図的に、もっと言ってしまえばマトリクスのような有機体構造を取っていると考えられます。

様々な知識がそれぞれと干渉して次の知識を生み出していく、ということです。

 

と、小難しい文章が出てくるのが現代文です。笑

なにか一つ知識を覚えて、それに興味が湧いたら次のものを調べてみましょう、現代はそれがやりやすい時代です、って話です。

 

日本語で書いてありますし、本来であれば現代文で間違えるって考えられないことだと思います。

もちろん受験特有のテクニックもありますが、現代文を体系的に教わっている人が少ないことも確かです。圧倒的に勉強量が少ないのです。

でも日本語だし、ちょっと取れちゃうのが良くない。

 

まずはこの一冊からはじめてみてはいかがでしょうか。

(傍線部A)

 

ことばはちからダ!現代文キーワード―入試現代文最重要キーワード20 (河合塾SERIES)

ことばはちからダ!現代文キーワード―入試現代文最重要キーワード20 (河合塾SERIES)