『得点奪取 現代文 記述・論述対策』(河合出版)
『得点奪取 現代文 記述・論述対策』(河合出版)
〜国語の”点数が取れない”これやってから言ってください。〜
対象:記述式の難関を狙う方で現代文が不確定要素になっている人
非対象:現代文初心者
キーワード:国語、現代文、記述
受験生の皆さんがセンター試験で一番満点が取りにくい教科は何でしょうか。
私は断言できます。
「国語」だと。
英語も文法問題とかクリアできれば満点取れますし、数学は解き切れば満点でしょう。
他も割と頑張れば取れると思うんです。
国語だけはどこか不安が残りませんか??
国語の基本は問題文の正確な読解です。
それは揺らぎませんが、それでもこれは受験。問題文筆者と出題者は違うんです。
「出題者が一般的な読解レベルでこの文章を読んだらこのように読めますが、あなたはいかがですか?」
というものです。
そしてそれらの不安要素の最たるものが「長文読解記述」でしょう。
要素が多い、少ないで減点されて、やっぱり満点が取れない。
はい!そんなあなたにこの一冊!!
得点奪取です。
問題数は多くありませんが、解答解説の分量は現代文の参考書トップレベルではないでしょうか。
この参考書はタイトルにもあるとおり、点を確実に得る、ということにフォーカスされています。
自分は専門が現代文なんですが、問題解説をしようとするとどうしても時間と大量の「言葉」が必要になってしまいます。
だからこそ、この参考書の圧倒的な解説量!!
ここで本文第一章例題1の構成だけ軽く見てみましょう。
問題文は『見える死、見えない死』(立川昭二)からの抜粋です。いきなり難易度がけっこう高い文章です。
論旨が2山(傍線部Aはよく論旨のことを”山”といいます)あるパターンですね。
《本文解説》
1.前半部(第一段落〜第六段落)
2.後半部(第七段落〜最終段落)
《設問解説》
問一
問二 答案例2つとその添削、またその理由の説明
問三 答案例3つとその添削、またその理由の説明
《配点と採点基準》
《覚えておきたい言葉》
となっています。
めっちゃくちゃ丁寧ですよ。
本屋さんでこの本をパラパラめくってみた人は分かると思いますが、
問題文+問題…5p
問題解説…12p
という比率。
つまり、この参考書を扱うにあたってのキモは、
問題解説の読解
にあると思っていいでしょう。
愚痴っぽくなりますが、みんな英語と数学ばっかり勉強しすぎじゃないですか!?
国語だって「むーっ!!」って言って勉強して欲しいんですよ。いいじゃん、解説が多くたって。
それくらい覚悟して現代文を勉強して下さい、という国語教師からの宣言でもあります。
また、現代文がある程度できないと解説もわからないと思います。
ちゃんと解説しようとすると難しい言い回しになっちゃうんだよね。
そういった意味でも人を選ぶ。
正直、みんなにオススメできる一冊ではありません。
「国語が苦手です、どの参考書をやればいいですか?」
って質問に来る高校一年生には絶対におすすめできません。
しかし、東大を含めた難関国公立や一部の私大で国語・現代文が取れない、不確定要素過ぎて困る。捨てることもできない。という人に向けての最終兵器だと思います。
解説を読むことも本当に苦労するでしょうし、悩むと思います。
ただ、不確定要素としての現代文から脱出したい人にとっては革命的な一冊になるでしょう。
使い方としては、なるべく本文を大きくコピーして下さい。
それを見ながら解説を読むことをオススメします。(もちろん解いてから)
ページをペラペラしてたら邪魔で邪魔でしようがありません。
そして、解説も「サーッ」とたどるのではなく、しっかりと理解しながらゆっくり読解して下さい。解説を読解するってのも変な話ですが。
以上、全然オススメできなさそうな一冊ですが、国語は不確定要素ではない!!という主張をしたい私にとって、
難関私大、難関国公立大の記述に不安が残る人に、ぜひともオススメしたい参考書です。
得点を奪取してください。
(傍線部A)
2019/05/19改稿